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家庭教育とは?不登校・行き渋りの家庭で大切にしたい「自立を育てる関わり方」

  • 2026/06/26
  • 2026/06/16

どう声をかければいいか、だけでは家庭は変わらない

不登校や母子登校、行き渋りの相談では、「子どもにどう声をかければいいですか」と聞かれることがよくあります。

もちろん、声かけは大切です。

ただ、声かけだけを変えても、家庭の中で同じやり取りが繰り返されている場合、状況が大きく変わらないことがあります。

朝になると子どもが動かない。
親が声をかける。
子どもが反発する。
親が焦って、さらに声をかける。
子どもが余計に固まる。

このような流れが続くと、親も子どもも疲れていきます。

大切なのは、「何と言えば動くか」だけではありません。

家庭の中で、親子の役割や距離感、生活の流れがどうなっているのかを見ることです。

家庭教育とは何か

家庭教育とは、家庭の中で行われる子どもの育ちへの関わりです。

勉強を教えることだけではありません。
生活習慣を整えること。
人との関わり方を学ぶこと。
自分の気持ちを言葉にすること。
失敗した後に立て直すこと。
自分で考え、選び、動く経験を重ねること。

そうした日常の積み重ねが、家庭教育の大切な部分です。

みちびきでは、家庭教育を「親が子どもを管理すること」ではなく、「子どもが自分で考え、動けるようになるための家庭の土台づくり」と考えています。

家庭教育は、子どもを管理することではない

親になると、子どものことを大切に思うあまり、いつの間にか「自分の考えの通りに動いてほしい」と感じてしまうことがあります。

もちろん、それは悪意からではありません。

子どもが困らないように。
将来つまずかないように。
失敗して傷つかないように。

そう思うからこそ、先に声をかけ、先に手を出し、先に道を整えたくなるのだと思います。

ただ、子どもは親とは別の一人の人間です。

感じ方も違えば、考え方も違います。
親が歩んできた道と、子どもがこれから歩んでいく道も同じではありません。

だからこそ家庭教育では、子どもを親の思い通りに動かすことではなく、子ども自身が考え、選び、失敗し、立て直していく経験を積めるように環境を整えることが大切です。

成功体験だけでなく、小さな失敗や迷いも含めて、子どもが自分の力を育てていけるようにする。

親の役割は、子どもの人生を代わりに進めることではなく、子どもが自分の足で進んでいけるように、必要な場面でみちびくことなのだと思います。

けれど、家庭教育は放任でもない

「管理ではない」と言うと、「では、何も言わずに見守ればいいのか」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、家庭教育は放任ではありません。

子どもが困っているときに、すべて本人任せにすることではないのです。

特に不登校や行き渋りの状態では、子ども自身も何に困っているのかをうまく言葉にできないことがあります。

そのようなときに必要なのは、親がすべてを代わりに決めることでも、何もせず見守ることでもありません。

子どもが考えやすいように、状況を分ける。
選びやすいように、選択肢を整える。
動きやすいように、家庭の環境を整える。

このように、子どもが自分の力を使いやすい形にしていくことが大切です。

不登校・行き渋りの家庭で、なぜ家庭教育が大切なのか

不登校や行き渋りが起きると、どうしても「学校に行けるかどうか」に目が向きやすくなります。

もちろん、登校の状況は大切です。

ただ、学校に行けたかどうかだけを見ていると、家庭の中で起きていることが見えにくくなることがあります。

たとえば、

朝のやり取りが毎日こじれている。
親が子どもの予定や持ち物をすべて管理している。
子どもが困りごとを自分の言葉で伝える機会が少ない。
親が先に判断し、子どもはそれに乗るだけになっている。
行けなかった日をどう立て直すかが家庭の中で決まっていない。

こうした状態が続くと、親は一生懸命支えているのに、子どもが自分で動く経験が積みにくくなることがあります。

家庭教育で大切なのは、「行かせる」「休ませる」の判断だけではありません。

子どもが少しずつ自分で考え、選び、困ったときに伝え、失敗しても立て直せるように、家庭の中の関わり方を整えていくことです。

家庭教育で整えたい5つのこと

生活の流れを整える

朝の支度、帰宅後の過ごし方、宿題、就寝までの流れ。

これらが毎日その場の声かけだけで動いていると、親も子どもも疲れます。

「早くして」と何度も言うより、流れを見える化する。
持ち物の置き場所を決める。
朝にやることを減らす。

こうした環境づくりも、家庭教育の一つです。

親子の会話を整える

不登校や行き渋りの場面では、親子の会話が「確認」「説得」「詰問」になりやすいです。

「明日は行けるの?」
「なんで行けないの?」
「いつまで休むつもりなの?」

親として聞きたくなる気持ちは自然です。

ただ、子どもがまだ整理できていない状態で聞かれると、責められているように感じることがあります。

「何が一番しんどそう?」
「今日の中で、どこが引っかかっている?」
「できそうなことを一つ選ぶなら、どれ?」

このように、子どもが考えやすい問いに変えていくことが大切です。

家庭内の役割を整える

親がやっていることの中には、本来は少しずつ子どもに返していけるものがあります。

持ち物の確認。
水筒の準備。
宿題の管理。
先生への伝言。
翌日の予定確認。

もちろん、いきなり全部を任せる必要はありません。

ただ、親がすべてを抱えたままだと、子どもが自分で準備する経験が少なくなります。

「これはまだ親が支える」
「これは一緒にやる」
「これは本人に返していく」

その線引きを少しずつ整理していくことが大切です。

ルールと境界線を整える

家庭教育では、優しく受け止めることも大切です。

しかし、何でも子どもの気持ちに合わせることとは違います。

ゲーム、スマホ、生活リズム、宿題、家での過ごし方。

こうしたルールが曖昧になりすぎると、子どもも家庭の中でどう動けばいいのか分かりにくくなります。

大切なのは、厳しく管理することではありません。

家庭として大切にする線を決めること。
そのうえで、子どもの状態に合わせて調整することです。

失敗した後の立て直し方を整える

家庭教育では、失敗させないことよりも、失敗した後にどう立て直すかが大切です。

学校に行けなかった日。
宿題ができなかった日。
親子で言い合いになった日。

その日を「ダメだった」で終わらせるのではなく、

「次はどこを変えるか」
「何があれば少し動きやすかったか」
「次に同じことが起きたら、どうするか」

を一緒に考える。

その積み重ねが、子どもの自立につながります。

非認知能力は、家庭教育の中で育つ

子どもが自分で考える力。
不安を言葉にする力。
助けを求める力。
小さく挑戦する力。
失敗した後に立て直す力。

これらは、テストの点数のようにすぐに見えるものではありません。

けれど、不登校や行き渋りの支援では、とても大切な力です。

みちびきでは、こうした力を非認知能力の一部として捉えています。

非認知能力は、特別な教材だけで育つものではありません。

日々の家庭の中で、親がどこまで支え、どこから子どもに返すか。
子どもが自分で考える余白を、どれだけ残せるか。
失敗したときに、責めるのではなく立て直し方を一緒に考えられるか。

そうした関わりの中で、少しずつ育っていきます。

関連記事:非認知能力とは?不登校・行き渋りの子どもに家庭で育てたい「生きる力」

親が頑張りすぎている家庭ほど、仕組みに変える必要がある

支援の現場では、親が本当に一生懸命頑張っている家庭ほど、親の負担が大きくなっていることがあります。

毎朝、声をかける。
学校とのやり取りをする。
子どもの気持ちを聞く。
予定を確認する。
宿題や持ち物を見る。
休むか行くかを判断する。

それを続けているうちに、親も疲れ果ててしまいます。これは、親が悪いという話ではありません。

そうしなければ家庭が回らなかった時期があったのだと思います。

ただ、その形が長く続くと、親の頑張りに家庭全体が頼る形になってしまいます。

だからこそ必要なのは、親の頑張りを「家庭の仕組み」に変えていくことです。

親が毎回声をかけなくても動きやすい流れ。
親が全部判断しなくても、子どもが考えられる選択肢。
親が先回りしなくても、子どもが困りごとを伝えられる関係。

そうした仕組みを少しずつ整えることで、親子の負担は変わっていきます。

家庭で今日からできる小さな一歩

家庭教育というと、大きなことを変えなければいけないように感じるかもしれません。

でも、最初から全部を変える必要はありません。

まずは、家庭の中で一つだけ見直すことから始めてみてください。

たとえば、

朝の声かけを減らす前に、朝の流れを紙に書いて見える化する。
親が毎日確認していることを、一つだけ子どもに返してみる。
「どうする?」ではなく、「AとBならどちらにする?」と選びやすくする。
行けた・行けなかっただけでなく、「何を考えたか」を振り返る。
親子でこじれたときは、いったん話を止める合図を決めておく。

こうした小さな積み重ねが、子どもが自分で考え、動く経験につながります。

家庭教育だけで抱え込まないことも大切

家庭教育は、子どもの自立を育てるうえでとても大切です。

ただし、家庭だけですべてを解決しようとする必要はありません。

強い不安が続いている。
睡眠や食欲が大きく崩れている。
感覚過敏が強い。
発達特性が背景にありそう。
学校でのいじめや強い叱責が疑われる。
親自身が限界に近い。

このような場合は、医療機関、発達相談、学校との連携が必要になることもあります。

大切なのは、家庭で整えられることと、外部に相談すべきことを分けることです。

家庭だけで抱え込まず、必要な支えを使いながら、子どもが動きやすい環境を整えていくことが大切です。

みちびきでは、家庭の中で何が起きているのかを一緒に整理します

みちびきでは、不登校・行き渋り・母子登校に悩むご家庭に対して、家庭教育・非認知能力・家族療法的視点をもとに支援を行っています。

子どもだけを変えようとするのではなく、親だけを責めるのでもありません。

家庭の中で、どのようなやり取りが繰り返されているのか。
親がどこまで支え、どこから本人に返していくのか。
子どもが自分で考え、動けるようになるために、どんな環境を整える必要があるのか。

そうしたことを、ご家庭ごとの状況に合わせて一緒に整理していきます。

目指すのは、親が頑張り続ける家庭ではありません。

親も子どもも、少しずつ自分で考え、動けるようになっていく家庭です。

今の家庭の関わり方を、一度整理してみませんか

「声をかけても動かない」
「優しくしても、厳しくしても、うまくいかない」
「どこまで手を貸し、どこから本人に任せればいいのか分からない」

そう感じている場合は、家庭の中で何が起きているのかを一度整理することが大切です。

みちびきでは、家庭教育・非認知能力・家族療法的視点から、今のご家庭に合った現実的な一歩を一緒に考えています。

親が頑張って子どもを動かすためではなく、子どもが少しずつ自分で考え、動けるようになるために。
家庭全体が自立・自走していくために。

現在の状況を整理したい方は、公式LINEまたはお問い合わせフォームよりご相談ください。

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Profile

佐藤 博

佐藤 博家庭教育コーディネーター/
代表カウンセラー(みちびき)

15年間、不登校や母子登校のご家庭を訪問支援。子どもの「自分で社会とつながる力」を育む土台づくりに尽力。文科省協力者会議委員やいじめ対策委員も歴任。「傾聴で終わらせない、変化につながる関わり」が信念。お子さんへの直接支援に加え、ご家庭の課題を可視化し、親御さんと共に解決するスタイルが特長。家庭教育等の講演・研修も多数。「家庭からはじまる社会的自立支援」を推進します。

鈴木 博美

鈴木 博美家庭教育コーディネーター/
統括ディレクター(みちびき)

家庭教育アドバイザー・訪問カウンセラーとして9年間、不登校や親子関係に悩むご家庭を支援。2025年、支援10年目を迎えます。全国の家庭への直接支援を通し、親御さんとの対話で子どもの社会的自立をサポート。家庭内の会話や関わり方を可視化し、非認知能力を育む声かけや実践的なアドバイスで親子に伴走。保護者向けセミナーや講演も多数。「支援に迷う方こそ安心して相談できる存在」を目指し、家庭の再構築に丁寧に取り組みます。

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