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【親の手紙・体験談】「学校に行けているから大丈夫」と言われても、大丈夫ではなかった|小学1年生の母子登校

  • 2026/09/22
  • 2026/09/08

学校には行けています。ただ、毎朝お母さんが一緒でなければ、校門をくぐることができません。

「付き添えば学校に行けるなら、それでいいんじゃない?」

もしそう言われたら、あなたならどう感じるでしょうか。

外から見れば、その子は「学校に行けている子」です。

けれど、毎朝その子と一緒に歩き、どこまで一緒に行くか、いつ離れるかを判断し続けている親にとっては、それは決して「大丈夫」の一言で片づけられるものではありません。

今回ご紹介するのは、小学1年生の男の子の母子登校と、同じ時期に始まった夜尿の治療をめぐって、みちびきにご相談くださったご家庭からいただいたメッセージです。

このご家庭が最初にご相談くださったのは、母子登校についてでした。しかし、支援の中で見えてきたのは、「学校に行けるかどうか」という一点だけでは語れない、家庭全体の困りごとでした。

ご相談いただいた当時の状況

ご相談をいただいた当時、お子さんは小学1年生でした。

幼稚園の頃から、時々おもらしをすることはありましたが、おむつはすでに外れており、ご家族も「成長とともに落ち着いていくのかな」と受け止めていました。

ところが、小学校に入学してしばらく経った頃から、夜中のおもらし(夜尿)が増えていきました。同じ時期に、朝になると学校を行き渋ることも増え、お母さまが付き添わなければ登校できない状態になっていきました。

最初にご相談いただいたのは、母子登校についてでした。学校からは「お母さんが付き添えば学校に行けるなら、付き添ってあげてください」と言われることがあり、周囲からも「学校に行けているならいいじゃない」「今だけだから」と言われることがあったそうです。

しかし、毎朝実際に付き添っているお母さまにとっては、それほど単純な話ではありませんでした。どこまで一緒に行けばいいのか。いつ離れればいいのか。泣いている息子を置いていくことが、この子のためになるのか。そうした判断を、来る日も来る日も一人で抱えていらっしゃいました。

そして同じ時期に、夜尿についても専門医による治療が始まっていました。治療内容についての説明は受けていましたが、それを毎日の家庭生活の中でどう続けていけばいいのか、うまくいかない日にどう対応すればいいのかというところで、繰り返し迷いが生じていたそうです。

母子登校のことも、夜尿のことも、それぞれ別の問題のように見えますが、実際にはどちらも「毎日の家庭生活の中で、親が一人でその都度判断し続けなければならない」という点で、負担が重なり合っていました。

みちびきでは、何を一緒に考えたのか

みちびきの支援は、母子登校を解消するための方法だけをお伝えするものでも、夜尿を治療するものでもありません。

夜尿の診断や治療は、あくまで医療機関が担う領域です。そのうえで、医療機関で示された治療方針を家庭生活の中でどう続けていくか、親御さんとお子さん双方の負担が大きくなりすぎない環境をどう整えるかを、一緒に整理していきました。

母子登校についても、単に「離れましょう」とお伝えするのではなく、お子さんの様子を見ながら、ご家庭と一緒に次の段階を考えていきました。

目の前にある一つの問題だけを見るのではなく、家庭で起きていることを整理しながら、そのご家庭に合った進め方を考える。今回の支援も、その積み重ねでした。

親御さんからいただいたメッセージ

支援を終えた後、親御さんからメッセージをいただきました。ご本人の許可をいただき、個人が特定されないよう一部表現を調整した上でご紹介します。

鈴木先生

このたびは、息子と私たち家族の支援をしていただき、本当にありがとうございました。

支援を受けていた当時は、毎日の母子登校のこと、夜尿の治療のこと、家庭での関わり方のことなど、考えなければいけないことがいくつもあり、正直なところ、何をどう判断すればよいのか分からなくなることが何度もありました。今振り返ると、あの時の私は、息子のために何とかしなければと思いながらも、自分一人では抱えきれない不安の中にいたのだと思います。

今息子は小学1年生の頃、母子登校と夜尿のことで、みちびきさんにお世話になりました。

もともと幼稚園の頃から、おもらしをすることは時々ありました。それでもおむつは外れていましたし、私自身も「成長とともに落ち着いていくのかな」と思っていました。

ところが、小学校に入学してしばらく経った頃から、夜中のおもらしが増えるようになりました。

学校生活が始まり、息子なりに緊張や不安があったのだと思います。その頃から、朝になると学校に行き渋ることも増え、私が付き添わないと登校できない状態になっていきました。

最初は、母子登校のことで相談を始めました。
学校からは「お母さんが付き添えば学校に行けるなら、付き添ってあげてください」と言われることもありました。周りからも「学校に行けているならいいじゃない」「今だけよ」と言われることがありました。
でも、毎朝付き添っている私にとっては、そんなに簡単なことではありませんでした。

どこまで一緒に行けばいいのか。
いつ離れればいいのか。
泣いている息子を置いていくことが、この子のためになるのか。
それとも、もっと付き添ってあげた方がいいのか。

毎朝迷いながら、でも子どものために頑張らないといけないと思っていました。

「こんなことで私が悩んでいるのはおかしいのかな」
「他の家庭なら、もっと上手にできるのかな」
そんなふうに思うこともあり、孤独を感じることが多かったです。

そんな中で、夜尿の治療も始まりました。
専門の先生に診ていただき、治療についての説明も受けました。
ただ、実際に家庭でどう進めていけばいいのか、上手くいかない時にどう対応すればいいのかというところで、私は何度も迷いました。

治療の話は分かっている。
でも、毎日の生活の中でどう運用すればいいのかが分からない。
夜尿のことも、母子登校のことも、どちらも息子のことを思えば思うほど、「これでいいのかな」と不安になりました。

そのことを鈴木先生に相談した時、先生は「家庭での運用方法を整えていきましょう」と言ってくださいました。
その言葉に、とても救われました。

病院での治療を否定するのではなく、家庭の中でどう続けていくか。
親も子もしんどくなりすぎない形で、どう環境を整えていくか。
そこを一緒に考えてくださったことが、本当にありがたかったです。
もちろん、すべてがすぐにうまくいったわけではありません。
うまくいく日もあれば、また戻ったように感じる日もありました。
それでも、そのたびに相談できる場所がありました。

「これは続けていいのかな」
「このままで大丈夫なのかな」
「子どもに負担をかけすぎていないかな」
そう思った時に、電話カウンセリングやメッセージカウンセリングで相談できたことは、私にとって大きな支えでした。

治療について「このままでいいのかな」と迷った時には、先生から「セカンドオピニオンを考えてみてもいいかもしれません」と言っていただいたこともありました。
その言葉があったことで、私自身も一人で抱え込まず、必要な確認をしながら進めていけばいいのだと思えました。

母子登校についても、ただ「離れましょう」と言われるのではありませんでした。

家から学校までの経路をお伝えし、息子の様子を見ながら、どこまで一緒に行くのか、次の段階に進んでもよいのかを一緒に考えてくださいました。
今日はここまで。
次はこの場所まで。
今はまだ進めすぎない方がいい。
そろそろ次の段階を考えてもよいかもしれない。
その判断を、一人でしなくてよかったことが本当に心強かったです。

母子登校も、夜尿も、傍から見ると些細なことに見えるのかもしれません。
でも、毎日向き合っている親にとっては、決して些細なことではありませんでした。

夜、また失敗してしまった時。
朝、学校の前で泣いて離れられない時。
周りには「大丈夫」と言われても、私の中では大丈夫ではないことがたくさんありました。

そんな時に、鈴木先生に相談できることで、「一人じゃないんだ」「何かあったら相談すればいいんだ」「この子に合った進め方を一緒に考えてもらえるんだ」と思えるようになりました。

それが、私の心の支えでした。

今、息子は一人で登校できるようになりました。夜尿についても、家庭での環境を整えながら治療を続ける中で、少しずつ落ち着いていきました。

振り返ると、母子登校を解消することだけが支援ではなかったのだと思います。

息子が学校に向かえるようになること。
夜尿の治療を家庭の中で無理なく続けられるようにすること。
私自身が一人で抱え込みすぎないようにすること。
親も子もしんどくなりすぎない形を一緒に考えてもらうこと。
そのすべてが、私たち家族にとって必要な支援でした。

今でも、学校の下駄箱のあたりで、お母さんから離れられずに泣いているお子さんを見ることがあります。
その姿を見ると、あの頃の息子と自分を思い出して、胸が苦しくなります。

きっと今も、助けを求めたいけれど、どうしたらいいか分からないお母さんがいると思います。
「学校に行けているなら大丈夫」
「付き添えば行けるなら、それでいい」
「夜尿は病院に行っているなら、それ以上は仕方ない」

そう言われても、親の中では整理できないことがあります。毎日の中で、どう関わればいいのか。どこまで支え、どこから任せればいいのか。親として何をしてあげることが、この子の力につながるのか。

そこを一緒に考えてもらえる場所があることは、本当に心強いことでした。

同じように母子登校や夜尿で悩んでいる方、そして「こんなことで相談していいのかな」と迷っている方に、少しでも届けばと思い、メッセージを送らせていただきました。

このメッセージから伝えたいこと

「学校に行けている」だけでは見えない苦しさがある

母子登校は、形式上は出席できているため、周囲からは「問題が小さいこと」のように見られがちです。実際、このご家庭も「学校に行けているならいいじゃない」「今だけだから」という言葉を、何度もかけられていました。

けれど、毎朝付き添う。どこで手を離すかを判断する。泣いているわが子を前に、置いていくべきか、もう少し一緒にいるべきかを迷う。そして翌朝、また同じ判断をする。

この積み重ねは、外からは見えません。「登校できている=家庭が困っていない」ということでは、決してないのです。

病院で治療を受けていても、「家庭でどうするか」に迷うことがある

夜尿については、診断や治療方針を決めるのは医療機関の役割であり、みちびきがその代わりを担うことはありません。今回のご家庭も、専門医による治療を受け、治療についての説明もきちんと受けていました。

それでも、「治療の話は分かっている。でも、毎日の生活の中でどう運用すればいいのかが分からない」という迷いが残っていました。

治療方針を否定するのではなく、その方針を家庭生活の中でどう続けていくか。親御さんとお子さんの双方に負担がかかりすぎない形で、日々の環境をどう整えるか。ここに悩む親御さんは、決して少なくありません。医療機関とみちびきは、それぞれ役割が異なります。だからこそ、「治療は受けているけれど、家庭でどうすればいいか分からない」という部分にも、相談先が必要になるのだと思います。

支援は、「目の前の問題を一つ消すこと」だけではない

今回の支援では、母子登校から一人で登校できるようになったという、分かりやすい変化がありました。夜尿についても、医療機関での治療と家庭での環境調整を続ける中で、少しずつ落ち着いていきました。

ただ、それだけを「成果」として扱いたいわけではありません。

親御さんご自身が、「何かあったら相談すればいい」「この子に合った進め方を一緒に考えてもらえる」と思えるようになり、すべてを一人で抱え込まなくなったこと。これも、今回の支援の中でとても大きな変化でした。

支援中は、一人で抱え込まずに相談できることも大切です。

ただ、みちびきが最終的に目指しているのは、何か起きるたびに支援者へ答えを求めなければならない状態ではありません。

支援を通して、「この場合はどこまで支えるのか」「今は任せてもよいのか」と親御さん自身が少しずつ考えられるようになり、やがて支援がなくても家庭で判断していけるようになることを大切にしています。

そして、「どこまで支え、どこから本人に任せるか」を考えることは、母子登校や夜尿に限った話ではありません。これから先、お子さんが成長していく過程でも繰り返し必要になる、家庭教育の視点そのものでもあります。

「こんなことで相談していいのかな」と思っている方へ

メッセージの中に、こんな一節がありました。学校の下駄箱のあたりで、母親から離れられずに泣いている子どもを見かけると、あの頃の自分たちを思い出して胸が苦しくなる。そして、今も助けを求めたいけれど、どうしたらいいか分からないお母さんがいると思う、という言葉です。

「学校に行けているなら大丈夫」「付き添えば行けるなら、それでいい」「夜尿は病院に行っているなら、それ以上は仕方ない」

そう言われる場面は、これからも多くのご家庭にあると思います。けれど、そう言われても、親御さんの中では整理できないことがたくさんあります。

「もっと大変な家庭がある」「学校には行けている」「病院にも行っている」——そうした理由で、相談をためらう必要はありません。相談するほどではないと思っているご家庭ほど、実は毎日の判断を、一人で抱えていることがあります。

ご相談をご検討中の方へ

みちびきでは、不登校になってからでなければ相談できない、ということはありません。母子登校や行き渋りの段階でも、ご相談いただけます。

また、また、登校のことだけでなく、今回のように、医療機関で治療を受けながら家庭生活の中でどう対応していくかなど、複数の困りごとをあわせて整理することもできます。必要に応じて、学校や医療機関など他の専門機関が担う領域と、家庭で考えていく領域を整理しながら支援を進めます。

最終的に目指しているのは、支援がなくなった後も、ご家庭自身で考え、対応していける状態です。

今回のような、ご家庭からいただいた他のメッセージについては、[親の手紙・体験談まとめ]でもご紹介しています。「うちも似ているかもしれない」と感じた方は、[お問い合わせ]よりお気軽にご相談ください。

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Profile

佐藤 博

佐藤 博家庭教育コーディネーター/
代表カウンセラー(みちびき)

15年間、不登校や母子登校のご家庭を訪問支援。子どもの「自分で社会とつながる力」を育む土台づくりに尽力。文科省協力者会議委員やいじめ対策委員も歴任。「傾聴で終わらせない、変化につながる関わり」が信念。お子さんへの直接支援に加え、ご家庭の課題を可視化し、親御さんと共に解決するスタイルが特長。家庭教育等の講演・研修も多数。「家庭からはじまる社会的自立支援」を推進します。

鈴木 博美

鈴木 博美家庭教育コーディネーター/
統括ディレクター(みちびき)

家庭教育アドバイザー・訪問カウンセラーとして9年間、不登校や親子関係に悩むご家庭を支援。2025年、支援10年目を迎えます。全国の家庭への直接支援を通し、親御さんとの対話で子どもの社会的自立をサポート。家庭内の会話や関わり方を可視化し、非認知能力を育む声かけや実践的なアドバイスで親子に伴走。保護者向けセミナーや講演も多数。「支援に迷う方こそ安心して相談できる存在」を目指し、家庭の再構築に丁寧に取り組みます。

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