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自信がないのにプライドが高い子ども|反発や言い訳の奥にあるものと、親の関わり方

  • 2026/04/24
  • 2026/04/13

「うちの子、そんなに自信があるようには見えないのに、なぜか注意すると強く反発する」
「できないことがあるはずなのに、なかなか認めようとしない」
「助ければいいのに、人に頼らず怒ったり投げたりする」

そんな姿に、戸惑いやイライラを感じている親御さんは少なくありません。

親からすると、「そこまで困っているなら、素直に聞けばいいのに」と思うものです。できないなら「分からない」と言えばいいし、助けてほしいなら「助けて」と言えばいい。けれど、実際にはそれができない子がいます。

しかも、そういう子ほど、困っていないようにふるまったり、強がったり、注意されると反発したりします。親から見ると、「自信はなさそうなのに、なぜかプライドだけ高い」と感じてしまうのです。

でも、この状態は単なる性格の問題ではありません。わがままだからでも、ひねくれているからでもないことがあります。支援の現場で見えてくるのは、むしろその逆です。こういう子どもは、実はとても傷つきやすく、できない自分を見せることに強い痛みを感じていることが少なくありません。

特に、不登校、母子登校、行き渋りの背景をもつ子どもの場合、学校や集団の中で感じた不安や比較、失敗体験が積み重なり、「できない自分を見せるくらいなら、反発した方がまし」「助けを求めるくらいなら、最初からやらない方がいい」という防衛が強くなっていることがあります。

この記事では、「自信がないのにプライドが高い子ども」について、なぜそうなるのか、子どもの内面で何が起きているのか、非認知能力とどう関係しているのか、そして親はどう関わればよいのかを、家庭教育と支援現場の視点から整理していきます。

自信がないのにプライドが高い子どもとは?

「自信がないのにプライドが高い子ども」と聞くと、負けず嫌い、素直じゃない、面倒くさい、反抗的、といった印象を持たれやすいかもしれません。実際、日常の中ではそう見える場面もあると思います。注意されると怒る。間違いを認めない。できないことを隠す。負けそうになるとやめる。そんな反応が続けば、親としても「どうしてこんなに扱いづらいのだろう」と感じるのは自然なことです。

けれど、支援の現場で見えてくるのは、もう少し違う姿です。

このタイプの子どもは、本当に自信満々なわけではありません。むしろ逆で、自己評価が安定しておらず、傷つきやすいことが多いのです。だからこそ、失敗したり、劣って見えたり、分からないことを認めたりすることが、とても苦しい。自分の弱さやできなさに触れること自体がつらいのです。

そのため、素直に困ることができません。困っているのに怒る。分からないのに「別に」と言う。助けてほしいのに拒否する。親から見れば「プライドが高い」と映るのですが、実際には、自己価値を守るための防衛が強く出ている状態と捉えた方が理解しやすいことがあります。

特に不登校や行き渋りのある子どもでは、この傾向が強く見られることがあります。学校という場は、どうしても比較や評価が起きやすく、分からないことや苦手なことが表に出やすい場でもあります。そうした経験の中で、「できないなら聞けばいい」ではなく、「できないと分かる場面そのものを避けたい」という方向に気持ちが向いてしまうのです。すると、親からはますます「変にプライドが高い」と見えやすくなります。

なぜこの状態が起きるのか

このタイプの子どもにとって、失敗は単なる失敗ではありません。うまくいかなかった、できなかった、間違えた、という出来事が、そのまま「ダメな自分が見えること」につながりやすいのです。

・ 失敗する
・ できない自分が見える
・ 否定されるかもしれない
・ 見下されるかもしれない
・ 自分の価値まで下がるように感じる

こうした流れが、子どもの中で強く起きていることがあります。

だから、本当は困っていても「分からない」と言えません。「できない」「教えて」と言えば楽になる場面でも、それが言えない。なぜなら、その一言を口にした瞬間に、自分の弱さやできなさを認めたように感じてしまうからです。

その結果、無視する、怒る、人のせいにする、やらない、「別にいいし」と言う、という反応が出やすくなります。表面だけを見ると反抗や逃げに見えますが、その奥には「傷つきたくない」という切実さがあることも少なくありません。

また、この子たちは、「できた自分には価値があるけれど、できない自分には価値がない」と感じていることがあります。だからこそ、間違えること、劣って見えること、負けること、人に頼ることに強い抵抗が出ます。負けず嫌いというより、自己価値が傷つくのが怖いのです。

もちろん、これは家庭だけが原因という話ではありません。もともとの気質として傷つきやすい子もいますし、学校での経験や友人関係の中でこうした守りが強くなることもあります。ただ一方で、結果を中心に見られる経験が多かったり、失敗したときにため息や注意が重なりやすかったり、「ちゃんとすること」が強く求められる環境の中で、「できない自分は出してはいけない」という学習が積み重なっていくこともあります。

親としては普通に関わっていたつもりでも、子どもの側でそう受け取っていることは十分にありえます。ここは、親を責めるためではなく、「今どんな状態が起きているのか」を見立てるために大切な視点です。

非認知能力の観点から見ると何が起きているのか

みちびきでは、子どもの育ちを「自分を高める力」「自分と向き合う力」「他者とつながる力」という三つの視点から捉えています。自信がないのにプライドが高く見える子どもは、まさにこの三つの力がうまく育ちにくい状態にあることが多いです。

まず、「自分と向き合う力」が弱っていると、子どもは自分の失敗や感情を受け止めにくくなります。本当は悔しい、恥ずかしい、怖い、不安だ、という気持ちがあるのに、それを感じて整理する前に防衛が出てしまうのです。だから、失敗した場面ほど反発が強くなります。怒る、ふてくされる、逃げる、言い訳をする。これは、わざと困らせようとしているのではなく、感情に飲み込まれないように守っている反応でもあります。

次に、「他者とつながる力」が弱っていると、人に頼ることや助けを受け取ることが難しくなります。本来なら「分からないから教えて」と言えた方が楽なはずなのに、それが言えない。助けてほしいのに、「別に」と突っぱねる。注意や助言も、支えとしてではなく否定として受け取りやすくなります。結果として、助けてほしい気持ちはあるのに、人とつながるより先に自分を守る方が優先されてしまうのです。

さらに、「自分を高める力」が育ちにくいと、小さく挑戦したり、失敗してもやり直したりすることが難しくなります。挑戦して傷つくくらいなら、最初からやらない方がいい。負けそうならやめた方がいい。確実にできることしかやりたくない。そうして回避が増えると、経験の幅が狭くなり、結果として自信も育ちにくくなります。

つまりこの状態は、単に「プライドが高い」のではなく、非認知能力の中でも特に、失敗を受け止める力、人に頼る力、挑戦を続ける力が止まりやすくなっている状態として見る必要があります。

親が感じやすい悩み

この子たちへの関わりが難しいのは、親の気持ちも大きく揺さぶられるからです。

まず、「そこまで困っているなら、普通に聞けばいいのに」と思ってしまいます。見ているこちらには、困っていることが分かる。でも本人は「困っていない」と言う。助けを出しても拒否する。そのちぐはぐさに、親は強い戸惑いを感じます。

そして、「本当は自信がないはずなのに、なぜこんなに偉そうなんだろう」とも感じやすいです。自信がないなら謙虚にしていればいいのに、と思う。できないなら頑張ればいいのに、と思う。助けようとしているのに、なぜ怒るのか、と苦しくなる。それはとても自然な反応です。

さらに、このテーマのしんどさは、親自身もだんだん感情的になってしまいやすいところにあります。何度言っても変わらない。せっかく助けようとしても突っぱねられる。家では強く出るのに、外では動けない。このままで本当に大丈夫なのか不安になる。そうなると、分かってあげたい気持ちはあっても、つい強く言ってしまったり、正論で押したり、先回りしてしまったりします。

でも、ここでぶつかると、子どもの防衛はさらに強くなります。だからこそ、この問題は「親の根気でなんとかする」だけでは難しいことがあります。親が悪いのでも、子どもが悪いのでもなく、親子の間でしんどい循環ができてしまっているのです。

子どもの内面で起きていること

表に出てくるのは、反発、ふてくされ、言い訳、攻撃的な態度、投げやりな様子かもしれません。けれど、その奥にあるのは怒りだけではありません。

恥ずかしさ、惨めさ、不安、比較される苦しさ、失敗への恐れ、「自分はダメかもしれない」という怖さ。そういった感情が、子どもの内側で大きく動いていることがあります。

つまり、怒っているように見えても、そのもっと奥には「傷つきたくない」という気持ちがあるのです。

この子が守っているのは、単なる面子ではありません。守っているのは、「自分には価値があると思っていたい気持ち」です。だから間違いを認められない。だから助けを求められない。だから逃げたり、怒ったり、やらなかったりする。

問題行動だけを見ると、どうしても「態度を直させよう」という方向に行きがちです。でも本当に必要なのは、「この子は何を守ろうとしているのか」を見ることです。そこが見えてくると、関わり方が変わってきます。

小学生〜中学生によくある具体的なケース

中学一年生のAくんは、朝になると「お腹が痛い」「しんどい」と言って、学校を嫌がる日が増えていました。家ではゲームや動画を見て過ごしているのに、勉強の話になると急に不機嫌になります。

ある日、お母さんが「分からないところあるなら、一緒にやろうか」と声をかけると、Aくんは「別に。分かってるし」と怒ったように返して部屋に戻ってしまいました。

親からすると、「そんなに不安なら聞けばいいのに」と思います。実際、お母さんもそう感じていました。でも、Aくんの中ではそう簡単ではありませんでした。

実はAくんは、授業についていけない不安を強く感じていました。小テストが返ってきた日から朝の不調が増え、クラスで当てられたり、周りよりできないと見られたりすることが怖くなっていたのです。先生にも聞けない。友達にも聞けない。家で親に聞くのも嫌。なぜなら、どこであっても「できない自分」が見えることがつらいからです。

その結果、Aくんの中では「学校に行かない方が、できない自分を見せずにすむ」という選択が強くなっていました。

このとき最初に必要だったのは、勉強をやらせることではありませんでした。できない自分を受け止められること。困ったときに助けを借りても大丈夫だと思えること。小さく向き合う経験を積むこと。そこから整えていく必要があったのです。

では、親はどう関わればいいのか

まず大切なのは、「素直さ」を先に求めないことです。

このタイプの子どもに「素直になりなさい」「意地を張らないの」「プライドばっかり高い」と言っても、あまり届きません。なぜなら、素直になれない背景に傷つきやすさがあるからです。

先に必要なのは、失敗しても、できなくても、すぐに価値が下がるわけではないという安心を、家庭の中で少しずつ積み重ねることです。

たとえば、子どもが反発したときに、すぐに正すのではなく、「できないことが嫌なんだよね」と状態を言葉にしてあげるだけでも違います。「分からないって言うのも力だよ」「うまくやることより、どう向き合うかが大事だよ」と伝えることで、評価の軸を少しずつ変えていくこともできます。

また、「今しんどいんだね。でもここからどうするかは一緒に考えられるよ」といった声かけは、気持ちを受け止めながらも、そこで終わらず次に進む余地を残します。全部を一気にやらせようとするのではなく、「まず一つだけ整理してみようか」と小さく区切ることも有効です。助けてもらうことは負けではない、と伝え続けることも大切です。

ここで大事なのは、何でも受け入れることではありません。みちびきで大切にしているのは、「受け止める」と「責任を戻す」の両方です。

気持ちは受け止める。でも、行動の責任まで親が全部背負わない。親がすべてを解決しない。子どもが自分で考え、少しでも動く余地を残す。このバランスが、自立に向かう関わりには欠かせません。

たとえば、「学校が不安なんだね。それは分かった。じゃあ今日どうするかは一緒に整理しよう」と言う。「今はしんどいね。でも、何を選ぶかはあなたの課題でもあるよ」と返す。これは、甘やかしでも突き放しでもありません。気持ちは受け止めつつ、人生の舵を少しずつ本人に返していく関わりです。

やってはいけない関わり

逆に、避けたい関わりもあります。

まず、恥を刺激する言葉です。「ほんまプライド高いな」「そんなこともできないの?」「みんな普通にしてるよ」「また逃げるの?」「そんなに嫌なら最初からちゃんとやればよかったやん」。こうした言葉は、親としては本音に近いかもしれませんし、つい口をついて出ることもあると思います。けれど、傷つきやすい子どもにとっては、防衛をさらに強くする方向に働きやすいです。

また、先回りしすぎることも注意が必要です。親が全部説明する。困る前に全部整える。子どもの代わりに謝る、伝える、聞く。失敗しないように過剰に守る。こうした関わりは一時的には楽ですが、「自分では向き合えない」という感覚を強めてしまうことがあります。

そして、正論で押し切ることも効果が出にくいです。「失敗なんて誰でもある」「そんなの気にしすぎ」「やればできるって」「分からないなら聞けばいいだけやん」。これらは内容としては正しくても、感情がついていっていない子どもには入りません。頭では分かっていても、心が受け止められないからです。

変化はどう進むのか

この状態は、ある日急に変わるものではありません。けれど、変化には段階があります。

最初に必要なのは、「失敗しても終わりではない」「困っても責められない」「できないことを少しずつ出しても大丈夫」と思える安心の土台です。ここがないまま、頑張らせたり挑戦させたりしても、子どもはますます守りを固めやすくなります。

その次に必要になるのは、自分の感情を言葉にできることです。恥ずかしかった、悔しかった、怖かった、分からなくて嫌だった。そうした気持ちを少しずつ言葉にできるようになると、「自分と向き合う力」が育ち始めます。

さらに、分からないと言う、一部だけやる、途中で助けを求める、一緒に整理する、といった経験を重ねていく中で、「他者とつながる力」が育っていきます。

そして最後に、失敗してもやり直す、少しずつ取り組む、全部できなくても途中までやる、といった積み重ねができるようになると、「自分を高める力」が育っていきます。

つまり、変化は「反発が減る」「気持ちを言える」「頼れる」「小さく挑戦できる」という順で進みやすいのです。親が焦るのは自然ですが、ここを飛ばして一気に結果を求めると、かえって苦しくなることがあります。

まとめ

自信がないのにプライドが高い子どもは、本当に強いのではありません。傷つきやすさを守るために、強く見せていることがあります。

だからこそ、必要なのはプライドをへし折ることでも、素直さを強要することでも、正論で押し切ることでもありません。必要なのは、失敗しても価値が下がらない経験、感情を言葉にする支え、助けを求めることへの安心、そして小さな挑戦を積み上げる関わりです。

ただ、このテーマは、家庭だけで整理しようとするとどうしても感情が絡みます。親が毎日向き合っているからこそ、イライラもするし、分からなくなるのは自然なことです。

もし今、何を言っても反発される、注意すると関係が悪くなる、助けたいのに届かない、不登校や行き渋りとも重なって対応が難しいと感じているなら、親子だけで抱え込まないことも大切です。

みちびきでは、子どもの表面的な態度だけを見るのではなく、その背景にある心理構造や非認知能力の課題、家庭内の関わり方まで含めて整理し、「この子には今どんな関わりが必要か」を一緒に見立てていきます。

子どもを変えるために親が頑張り続けるのではなく、親子関係の中にある詰まりをほどきながら、子どもが自分で立っていける土台を作ること。それが、みちびきの支援で大切にしていることです。

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Profile

佐藤 博

佐藤 博家庭教育コーディネーター/
代表カウンセラー(みちびき)

15年間、不登校や母子登校のご家庭を訪問支援。子どもの「自分で社会とつながる力」を育む土台づくりに尽力。文科省協力者会議委員やいじめ対策委員も歴任。「傾聴で終わらせない、変化につながる関わり」が信念。お子さんへの直接支援に加え、ご家庭の課題を可視化し、親御さんと共に解決するスタイルが特長。家庭教育等の講演・研修も多数。「家庭からはじまる社会的自立支援」を推進します。

鈴木 博美

鈴木 博美家庭教育コーディネーター/
統括ディレクター(みちびき)

家庭教育アドバイザー・訪問カウンセラーとして9年間、不登校や親子関係に悩むご家庭を支援。2025年、支援10年目を迎えます。全国の家庭への直接支援を通し、親御さんとの対話で子どもの社会的自立をサポート。家庭内の会話や関わり方を可視化し、非認知能力を育む声かけや実践的なアドバイスで親子に伴走。保護者向けセミナーや講演も多数。「支援に迷う方こそ安心して相談できる存在」を目指し、家庭の再構築に丁寧に取り組みます。

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