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【小学2年生・8か月不登校】無理やり登校から「自分で考えて動く子」へ|過干渉を手放した家庭の復学支援事例

  • 2026/04/06
  • 2026/03/25

「なんでこの子は学校に行けないの?」「私の育て方が間違っていたの?」

小学2年生の長男が、6月から約8か月間、ほぼ登校できない状態が続きました。毎朝、嫌がる子どもを無理やり車に乗せて学校へ連れていく日々。お母さんは「地獄のような毎日」と表現されていました。

しかし、家庭教育の見直しを通じて、親の過保護・過干渉に気づき、関わり方を変えていった結果、長男くんは「自分で考えて行動する子」へと変わっていきました。

今回は、この家庭でどのような変化が起こったのか、具体的なプロセスをご紹介します。

※実際のご家庭のケースをもとに、個人が特定されないよう一部内容を再構成しています。

目次

    ケースの概要(プロフィール)

    家族構成: 義父・夫・妻・小学2年生の長男・長女の5人家族

    長男の状況: 小学2年生の6月〜翌年2月頃まで約8か月、不登校状態

    相談前の親の状態
    ● 「何が子どもに起こったのか分からない」
    ● 嫌がる子どもを無理やり車で学校へ連れて行く
    ● 毎日が「地獄のような日々」だった

    支援前――「良かれ」と思った子育てが、子どもの自立の芽を摘んでいた

    無理やり登校させる毎日と、家族への不満

    長男くんが学校に行きたがらない日が続くようになり、お母さんは「それでも行かせなければ」と必死でした。朝になると大泣きして暴れる息子を、なんとか車に乗せて学校へ。校門の前で降ろしても、車から離れようとしない。先生に引き渡すまで、毎朝が闘いのような時間でした。

    そんな日々が続く中で、お母さんの心の中には不満が積もっていきました。

    「なぜ義父は何も言ってくれないの?」

    「夫はもっと協力してくれてもいいのに」

    「なぜこの子はこんなにも手がかかるの?」

    義父・夫・子どもに対して、常にイライラし、不満だらけの状態になっていました。

    子ども優先の生活=過保護・過干渉になっていた

    お母さんは、「子どものことを一番に考えてきた」と自負していました。

    しかし、みちびきのカウンセリングを通じて気づいたのは、それが「過保護・過干渉」になっていたという事実でした。

    🔴 子どもが困らないように、なんでも親が先回りして準備する
    🔴 失敗させないように、常に先読みして手を出す
    🔴 子どもの予定をすべて把握し、管理する

    「子どものため」と思っていた関わり方が、実は子どもの自立の芽を摘むような形になってしまっていたのです。

    会話が「詰問・指示」でいっぱいだった日常

    学校から帰ってきた長男くんに対して、お母さんの口からは次々と言葉が飛び出していました。

    「宿題は?」

    「誰とどこに行くの?」

    「早くやっておいてね!」

    「今日は学校で何があったの?」

    親の口ばかりが動き、会話というよりも詰問や指示になっていました。
    お母さんは「子どものことを知りたい」「ちゃんとやってほしい」という思いからの声かけでしたが、結果として、子どもの「話したい気持ち」を止めてしまっていたのです。

    相談をきっかけに変わった“親の視点”――「親は聞き手であり、子どもは自分で考える存在」

    これまでの子育てを「反省」ではなく「学び直し」として捉え直す

    みちびきのカウンセリングが始まり、お母さんは自分の関わり方を振り返る機会を持ちました。ここで大切にしたのは、今までの子育てを責めるのではなく、「ここから変えよう」と前向きに捉え直すことでした。
    担当の家庭教育コーディネーターと話す中で、お母さんは気づきます。

    「義父や夫に対する不満の裏には、実は自分の不安や完璧主義があったのかもしれない」

    家族への不満は、実は「自分がもっとちゃんとやらなければ」というプレッシャーの表れだったのです。
    ご夫婦で話し合い、「一緒にここから学び直そう」と共有したことで、家庭全体の空気が少しずつ変わり始めました。

    親の役割を「指示する人」から「聞き手・見守り役」へ

    支援を通じて、お母さんの中で大きな転換が起こりました。

    親は“答えを与える人”ではなく、“話を聴き、背中を押す人

    この考え方に出会ったとき、「今までやってきたことと真逆だった」とお母さんは振り返ります。子ども自身が考え、決め、行動する時間を意識的に残すこと。これが、長男くんの自立を育てるために必要だと理解したのです。

    具体的に取り組んだこと――「先回りしない」「口を出しすぎない」練習

    毎朝の「忘れ物はない?」をやめる

    それまでお母さんは、毎朝必ず「忘れ物はない?」と確認していました。

    これは多くの親御さんがやっていることかもしれません。もちろん、子どものことを思っての愛情深い対応ではあります。しかし、カウンセリングで「この声かけをやめてみませんか?」と親御さんに提案しました。

    声かけをやめてみた結果:
    最初の数日は、長男くんが忘れ物を取りに戻ってくることがありました。お母さんは「あ、やっぱり……」とドキッとする瞬間もありましたが、ここで新しい見方を実践します。
    「たくさん運動して鍛えられるな」
    こう捉え直すことで、イライラせずに見守ることができるようになりました。

    すると、徐々に忘れ物を取りに戻ってくることが減っていったのです。

    宿題への口出しを減らし、「自分で決めて動く」経験を増やす

    次に取り組んだのは、宿題について何も言わない練習でした。これは、お母さんにとって大きなチャレンジでした。「宿題やった?」と聞かないと、やらないのではないか。そんな不安があったからです。
    しかし、口出しを減らしていくと、長男くんに変化が現れました。

    ● 自分で宿題に取りかかるようになった
    ● 時間がなくなると「後は学校でやる」と自分で判断してランドセルを背負って登校するようになった

    親が何も言わなくても、子ども自身が考えて動く姿が見え始めたのです。

    イライラのコントロールと「待つ」子育て

    以前なら、すぐに怒っていた場面がたくさんありました。

    ● 忘れ物を取りに戻る → 「何やってるの!」
    ● 宿題をやっていない → 「早くやりなさい!」
    ● 準備が遅い → 「もう時間ないよ!」

    しかし、見方を変える練習を重ねる中で、お母さんのイライラが減っていきました。

    「運動にもなっている」
    「自分で考えている証拠」

    こう捉え直すことで、子どもも安心して失敗・試行錯誤ができる環境が生まれました。親のイライラが減ると、子どもも落ち着く。この好循環が家庭に生まれていったのです。

    変化のあらわれ――「自分で考えて行動する子」に

    忘れ物が減り、自分で準備できるように

    親が何も言わなくても、忘れ物を取りに戻ることがなくなりました。長男くんは、自分で持ち物を確認し、登校の準備ができるようになっていました。これは、単に「忘れ物をしなくなった」という表面的な変化ではありません。「自分のことは自分で管理する」という責任感が育っていたのです。

    宿題・登校の取り組み方が変わった

    朝から自分で宿題をしていることもあるようになりました。時間がなくなると「続きは学校でやる」と切り替えられるようにもなりました。これは、自分で考えて判断し、行動に移せる力が育った証拠です。親が指示しなくても、子ども自身が自分のペースで動けるようになったのです。

    親が「先回りしすぎていた」ことに気づけたことが一生の宝物

    お母さんは、支援を振り返ってこうおっしゃいました。
    「子どもが考えて行動できることも、すべて親が先々話していたことに気づけたことは私の一生の宝物です」
    この気づきは、長男くんだけでなく、これから育っていく長女さんにも活かされていきます。

    また、義父・夫への感謝の気持ちを忘れず、「親が変わり、正しい子育てに努めたい」と考えるようになったそうです。家族への不満でいっぱいだったお母さんが、感謝の気持ちを持てるようになった。これも大きな変化でした。

    支援者としての振り返り――過保護・過干渉を手放すことは「愛情を減らす」ことではない

    このケースを通じて、改めて感じることがあります。

    過保護・過干渉は、「子どもが心配」「失敗させたくない」という強い愛情から生まれやすいということです。

    決して「ダメな親だから」過保護になるわけではありません。むしろ、子どものことを真剣に考えているからこそ、先回りしてしまうのです。

    しかし、
    ● 先に答えを与えすぎる
    ● 先回りして手を出しすぎる

    ことは、結果的に「自分で考えて動く力」「責任感」「自己効力感」といった非認知能力の芽を摘んでしまうことにも繋がります。

    このケースで育った非認知能力

    みちびきが大切にしている非認知能力の3つの柱と照らし合わせると、このケースでは以下の力が育ちました。

    1. 自分と向き合う力
     ● 「今、自分は何をすべきか?」を考える力
     ● 時間がないときに「学校でやる」と自分で判断できる力

    2. 自分を高める力
     ● 忘れ物を減らそうと工夫する力
     ● 自分で計画を立てて行動する力

    3. 他者とつながる力
     ● 親に言われなくても、自分から動ける信頼関係
     ● 家族の中で「任せてもらえる」安心感

    このケースでは、親が「聞き手・見守り役」に変わったこと、忘れ物や宿題に口を出さず子どもの選択と結果を一緒に受け止めたことが、長男くんの自立を大きく後押ししました。

    同じように「言いすぎているかも」「過保護かも」と感じる親御さんへ

    ここまで読んで、「うちも似ているかもしれない」「私も口を出しすぎているかも」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
    まず、お伝えしたいのは、「ダメな親だから過保護になった」のではないということです。
    子どもが大事だからこそ、心配で、失敗させたくなくて、先回りしてしまう。それは自然なことです。
    大切なのは、完璧な親になることではなく、

    🔴 子どもに任せる部分を少しずつ増やすこと
    🔴 失敗も含めて「自分で考えて動いた経験」を積ませてあげること

    です。

    今日からできる一歩

    ● 朝の「忘れ物はない?」を一回減らしてみる
    ● 宿題のことを聞く前に、「今日は何からやるつもり?」と子どもの計画を聞いてみる
    ● 子どもが失敗したとき、「次はどうする?」と一緒に考える時間を作る

    小さな一歩から、親子の関わり方は変わっていきます。

    みちびきの家庭教育コンサルティングのご案内

    みちびきでは、家庭教育×非認知能力×家族療法を軸にした支援を行っています。

    ● メッセージカウンセリング(親子会話の記録)
    ● 電話カウンセリング
    を組み合わせながら、親の関わり方・家庭内コミュニケーションを整えていきます。

    このケースのように、
    ● 「子どもの不登校・行き渋り」だけでなく
    ● 「親の過干渉・口出しの多さ」など、家庭のパターンそのものを一緒に見直していく
    ことができます。

    「うちも“言いすぎているかも”と感じる」
    「子どもの自立を育てたい」
    という方は、まずは私たちにご相談ください。お気持ちからお聞かせいただければと思います。

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    Profile

    佐藤 博

    佐藤 博家庭教育コーディネーター/
    代表カウンセラー(みちびき)

    15年間、不登校や母子登校のご家庭を訪問支援。子どもの「自分で社会とつながる力」を育む土台づくりに尽力。文科省協力者会議委員やいじめ対策委員も歴任。「傾聴で終わらせない、変化につながる関わり」が信念。お子さんへの直接支援に加え、ご家庭の課題を可視化し、親御さんと共に解決するスタイルが特長。家庭教育等の講演・研修も多数。「家庭からはじまる社会的自立支援」を推進します。

    鈴木 博美

    鈴木 博美家庭教育コーディネーター/
    統括ディレクター(みちびき)

    家庭教育アドバイザー・訪問カウンセラーとして9年間、不登校や親子関係に悩むご家庭を支援。2025年、支援10年目を迎えます。全国の家庭への直接支援を通し、親御さんとの対話で子どもの社会的自立をサポート。家庭内の会話や関わり方を可視化し、非認知能力を育む声かけや実践的なアドバイスで親子に伴走。保護者向けセミナーや講演も多数。「支援に迷う方こそ安心して相談できる存在」を目指し、家庭の再構築に丁寧に取り組みます。

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