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【支援事例】「信じて待つ」ことの難しさと親子の変化|不登校から復学までを支えたある家庭の物語

  • 2025/07/23
  • 2025/08/01

「今、わが子を信じて”待つ”ことができますか?」

不登校が続く中で、「このままでいいのか」と悩む親御さんは少なくありません。支援を受けたご家庭の中には、「我が子の未来を信じたい。でも、不安が勝ってしまう…」そんな葛藤を抱えていた方もいます。

今回は、実際に支援を通じて復学を果たしたあるご家庭の物語をご紹介します。親御さんがどのような気持ちで支援を受け、どんな葛藤を乗り越えたのか。支援者としての関わりと、その中で感じた変化をお伝えします。

目次

    支援開始時の状況:親子ともに限界を感じていた日々

    中学1年生の男の子を持つ母親からの相談でした。

    不登校の状態が続き、「このまま学校に行けないのでは」という不安が日に日に膨らんでいました。母親は日々疲弊し、「どうしてこんなことに…」と自己責任を感じている様子でした。初回のカウンセリングでは涙ながらに「子どもを信じたいけど、怖い」と語っていたのが印象的です。

    支援者として印象に残ったのは、「母親自身が限界にきていた」ということでした。親が崩れると家庭全体が不安定になる。その不安定さは、子どもにも強く影響していました。

    支援で取り組んだこと:母親の意識変容がカギに

    支援開始後、まずは「家庭内での声かけ」と「見守り方」の整理からスタートしました。「こうすべき」ではなく、「今の我が子にとって必要な関わり」を一緒に考えていきました。

    具体的には、子どもの小さな行動を「肯定的に捉える視点」を育てていくことから始めました。「今日はリビングにいる時間が長かった」「食事の時間に自分から席についた」など、当たり前に見える行動の中にも、前向きな変化の芽を見つけられるようになっていきました。

    学校へのアプローチのタイミングも、親御さんと一緒に確認しながら調整していきました。焦らず、でも諦めず、そのバランスを保ちながら進めていくことが重要でした。

    母親の一番の変化は、「信じる覚悟」が持てたことでした。不安を抱えながらも、”支援の設計を信じる”という行動を選び続けてくださいました。

    親子の間に生まれた変化:言葉に出せなかった本音

    支援を続けていく中で、親子の間に少しずつ変化が生まれ始めました。

    ある日、子どもが「○○先生には会いたくない」とポツリと口にしました。それまで自分の気持ちを言葉にすることが少なかった子どもが、そこから少しずつ、自分の気持ちを話せるようになっていきました。

    「行きたいけど、怖い」「自分がちゃんとできるか不安」——そんな複雑な気持ちを、母親に向かって話してくれるようになったのです。その言葉が出た瞬間、「この子は前を向こうとしている」と確信しました。

    子どもが言葉にしたことで、母親の対応も変わっていきました。「この子には”時間”と”環境”が必要だったんだと気づきました」という言葉が印象的でした。

    登校再開の日とその後:涙とともに踏み出した第一歩

    支援開始から数ヶ月後、本人の意思で登校再開の日を迎えました。

    学校の先生方とも連携し、「本人のペース」でのスタートを支援しました。無理をせず、段階的に学校生活に慣れていけるよう、細かく調整を重ねていきました。

    登校初日は、お母さんも涙でした。「本当にこの日が来るなんて」と、喜びと安堵の気持ちが溢れていました。その後も日々不安はありながらも、親子で「振り返る時間」を持ちながら前進を続けています。

    支援のゴールは”学校に戻ること”ではなく、”自分の足で進めるようになること”です。このご家庭は、その一歩を確かに踏み出しました。

    支援を通して感じたこと:親の言葉が、子どもの未来をつくる

    支援者として関わる中で、何よりも印象的だったのは、「親の言葉と行動が、子どもを変える力を持っている」ということでした

    親が変わると、子どもも変わる。これは支援の現場で何度も目にしてきたことです。この事例は、そんな変化を親御さん自身の体験を通して見せてくれた貴重な記録でもあります。

    不登校の状況にある子どもは、多くの場合、自分の気持ちを言葉にすることが難しくなっています。しかし、親が「信じて待つ」姿勢を示すことで、子どもの中に「話してもいいかもしれない」という安心感が生まれます。

    そして、その安心感が、子ども自身の「前に進む力」を引き出していくのです。

    まとめ:不登校の出口は「自分の力で進む」こと

    「学校に行けるようになる」ことはゴールではありません。“自分で考えて進める子”になることが、本当の意味での支援の目的です。

    今回のように、親が一歩引きながらも信じて関わることで、子どもが持つ力が発揮されていく——そんな実例があることを知っていただければと思います。

    不登校は、子どもにとっても親にとっても辛い体験です。しかし、適切な支援と「信じて待つ」姿勢があれば、必ず光は見えてきます。

    この記事が、同じような状況で悩まれている親御さんに、少しでも希望をお届けできれば幸いです。


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    Profile

    佐藤 博

    佐藤 博家庭教育コーディネーター/
    代表カウンセラー(みちびき)

    15年間、不登校や母子登校のご家庭を訪問支援。子どもの「自分で社会とつながる力」を育む土台づくりに尽力。文科省協力者会議委員やいじめ対策委員も歴任。「傾聴で終わらせない、変化につながる関わり」が信念。お子さんへの直接支援に加え、ご家庭の課題を可視化し、親御さんと共に解決するスタイルが特長。家庭教育等の講演・研修も多数。「家庭からはじまる社会的自立支援」を推進します。

    鈴木 博美

    鈴木 博美家庭教育コーディネーター/
    統括ディレクター(みちびき)

    家庭教育アドバイザー・訪問カウンセラーとして9年間、不登校や親子関係に悩むご家庭を支援。2025年、支援10年目を迎えます。全国の家庭への直接支援を通し、親御さんとの対話で子どもの社会的自立をサポート。家庭内の会話や関わり方を可視化し、非認知能力を育む声かけや実践的なアドバイスで親子に伴走。保護者向けセミナーや講演も多数。「支援に迷う方こそ安心して相談できる存在」を目指し、家庭の再構築に丁寧に取り組みます。

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