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【親の手紙】年中から母子登園になった娘が、小学校入学後「自分で動ける子」になるまで──過干渉に気づいた2年間

  • 2026/03/06
  • 2026/02/27

「この状態、いつまで続くんだろう」

今回ご紹介するのは、そんな言葉から始まったご相談です。
年中の夏休み明けから突然、娘さんが「お母さんから離れられない」状態になりました。それまで楽しく通えていた幼稚園なのに、毎朝泣いて離れられない。約1年間、母子登園でなんとか通い続けたものの、お母さんご自身の心身はとっくに限界を超えていました。

「小学校はどうなるんだろう」「また母子登校になったら、私は耐えられるだろうか」。そんな不安を抱えながら、みちびきにご相談くださり、支援を受けることになったご家族のお話です。

このご家庭の支援の中心は、「子どもを変える」ことではありませんでした。むしろ、親御さん自身の関わり方——過干渉・先回り・共感のつもりの正論返し——に気づき、家庭教育を少しずつ整えていくことでした。

そこから約2年。今では体調不良以外は一度も休まず小学校に通い、服や持ち物は自分で準備し、宿題もピアノの練習も自分のペースで進められるようになっています。友達と一人で遊びに出かけることも、当たり前の光景になりました。

この記事は、母子登園が続いていて「この先が見えない」と感じている親御さんに向けて、実際に支援を受けられたお母さんからの「親の手紙」を、私が解説を添えて紹介するものです。なお、プライバシー保護のため、お子さんの学年や地域など一部の表現を変更しています。

年中夏休み明けに始まった母子登園と、「このまま続けていいのか」という不安

突然、母から離れられなくなった年中の夏休み明け

お母さんからお話を伺うと、それまでのこの子は「手のかからない子」だったようです。
幼稚園も楽しく通い、特に登園を嫌がることもなく、周囲の大人から見てもおっとりと安定しているように見えていたそうです。

ところが、年中の夏休みが明けた頃から様子が変わりはじめました。
園のドアの前でお母さんから離れられない。泣きながら袖を掴む。朝のたびにその繰り返しです。

ちょうどその時期、下のお子さんの誕生も重なっていました。
生活が大きく変わり、お母さんの関心が赤ちゃんに向くことが増えた。そのことへの寂しさや不安が、娘さんの心の中に積み重なっていった可能性があります。

ただ、この子は自分の気持ちをなかなか言葉にできないタイプでした。
そのため、寂しさや不安は「言葉」ではなく「行動」であらわれていたのだろうと、お母さんは振り返っておられます。

1年間の母子登園と、お母さんの心身の限界

園にも相談しながら、しばらくは母子登園という形で通い続けることになりました。
毎朝付き添い、園内でも離れられないときは一緒にいる。いわば「子ども中心の生活」が、約1年間続きました。

ご家族みんなで協力しながら乗り越えようとしていましたが、お母さんの体と心は少しずつ削られていきます。

「いつ終わるかわからない」
「自分が倒れたら、この子はどうなるのか」

そんな思いが頭から離れないまま、年長の冬、いったん幼稚園から離れるという決断をされました。

小学校入学への不安と、「このままではいけない」という気持ち

幼稚園から離れたことで、一時的には状況が落ち着きました。
それでも、すぐに次の不安が頭をもたげてきます。

「小学校はどうなるんだろう」
「また母子登校になったら、私は体が持たない」

なんとかしたい気持ちはある。でも何をどう変えればいいのかが、まったく見えない。
そのような状態の中で、みちびきにご相談いただきました。

みちびきとの出会いと、「親の姿勢(家庭教育)」へのフォーカス

初回の相談で、お母さんがまず驚かれていたのは、支援の焦点が「お子さんをどう変えるか」ではなかったことでした。

私が丁寧に整理していったのは、お母さん自身の関わり方のパターンです。

・ 失敗しないように、つい先回りしてしまう
・ 子どもが困る前に、先に手を出してしまう
・ 「聴いているつもり」でも、気づけば大人の正論で返してしまっている

こうしたことが積み重なることで、「自分で考えて動く」経験が子どもから少しずつ奪われていた可能性があります。

変えるべきは子どもではなく、まず家庭の中の関わり方。
その視点の転換が、この2年間の出発点になりました。

親御さんから届いた「親の手紙」

ここからは、支援を終えられたお母さんから届いた「親の手紙」をご紹介します。
一部、個人が特定される可能性のある表現のみ変更し、内容はできるだけ原文のまま掲載しています。

鈴木先生へ

約2年間お世話になりました。ありがとうございました。
娘は幼稚園に楽しく通っていたにも関わらず年中の夏休み明けに突然母から離れるのを怖がるようになり、幼稚園を行き渋るようになりました。娘は赤ちゃんの頃からいわゆる手のかからない子で、4才年下の妹が生まれてからも赤ちゃん返りすることもなく優しいお姉ちゃんでした。ただ、年中の夏休み頃から妹に手がかかりようになり、娘は寂しい思いをしていたのだと思います。様々な機関に相談し1年間ほど娘中心の生活で何とか母子登園を続けていましたが、母も精神的体力的に限界に達し一度円から離れる決断をしました。それが年長の冬です。
ただ、いつまでこの状態が続くのか、小学校は大丈夫かとの不安も募ってきました。
そんな中で出会ったのが鈴木先生でした。

鈴木先生の支援では、私たち両親の姿勢(家庭教育)を指導していただきました。そこで私たちが娘に対して過干渉であったことを再認識しました。
今おっもえば、先回りしている事が多く、娘の失敗経験や考える力を奪っており、より母に依存するようになっていたと思います。また、傾聴や共感することなく娘の発言に対して、大人の正論で返事をしてしまっていました。メシテイ(命令・指示・提案)も多用していました。

これらを意識して2年、娘は体調不良時以外は一度も休むことなく通学できています。洋服は前日の夜に自分で決めてセットし、宿題やピアノの練習などは自分の好きな時間に自主的に行います。(家庭教育がなされていなければ、母が洋服を決め宿題も先にやりなさい!と日々声掛けしていたと思います。)また学校から帰ってくると、お友達と遊びに行くと1人で家を飛び出します。母から離れることが不安で、公園にも付き添っていた頃を思うと信じられません。

多少、行き渋る日はありましたが、娘に「学校を休む」という選択肢はありません。これらすべて鈴木先生のおかげです。育児本には載っていない個別のHow Toを相談させていただき感謝しています。今後も引き続き娘の良いところを伸ばし、苦手なところを自分で乗り越えられる力をつけるようサポートしていきます。本当にありがとうございました。

母子登園・行き渋りで悩む親御さんへ──みちびきからのポイント整理

ここから先は、支援者である私の視点から、今回のお手紙を通してお伝えしたいポイントを整理していきます。

母子登園を「甘やかし」だけで終わらせないために

母子登園は、「甘え」でも「育て方の失敗」でもありません。
子どもが「怖い」「不安だ」「離れたくない」と感じているとき、それを行動でしか表現できない状態にあるサインです。まずそこを、親も支援者も正しく受け取ることが大切です。

一方で、付き添い続ける親御さんの心身への負担は、決して軽くありません。
「子どものために」と自分を削り続けることが、長期的には親子双方を苦しめることにもなりえます。

みちびきでは、母子登園の状態そのものを頭ごなしに否定するのではなく、

🔴 今の状況を整理し直す
🔴 どこから自立のステップを切り出せるか
🔴 家庭教育の視点で何を意識するとよいか

を一緒に考えていきます。

「いつ終わるかわからない」という漠然とした不安を、
「この順番で、こういう方向へ進んでいこう」という見通しに変えていくこと。
それが、支援の大きな柱の一つです。

この漠然とした不安は、子ども達だけでなく親御さん達が抱えていることが多いです。ゴールの見えないマラソンを走り続けるのは辛く苦しいですよね。

過干渉・先回りに気づくことが、子どもの自立のスタートライン

今回のお手紙の中で、私が特に印象的だったのは、お母さんご自身が気づかれた「先回り」と「正論返し」への言及でした。

● 子どもが困りそうなとき、転ばないうちに先に手を出す
● 子どもが話している途中で、「でもこうすればよかったんじゃない?」と答えを先に示してしまう

親としては、どれも「よかれと思って」の行動です。
でも子どもの側から見ると、

「自分で考えなくても、誰かが先に答えを出してくれる」
「失敗する前に止められる」

という経験が積み重なっていきます。

自分で考える力、自分で判断して動く力は、失敗も含めた経験の中でしか育ちません。
先回りが続くと、子どもは「何かあればお母さんがなんとかしてくれる」という感覚を持ちやすくなり、それが「一人では不安」という感覚の背景になることがあります。
幼いお子さん達にとって、この感覚は無意識化で定着していることも多いです。

支援の中で私がお伝えしていたのは、まずはご家庭での小さな一歩です。

● 子どもが困っていても、すぐに解決策を出さずに「どうしたらいいと思う?」と一緒に考える時間をつくること
● 失敗しても責めるのではなく、「次はどうしようか」を話し合う習慣をもつこと

こうした積み重ねが、子どもの「自分でやってみよう」という感覚を少しずつ育てていきます。

小学校入学を「不安の節目」から「成長の節目」に変える

支援を始めてから約2年で、この親子にはさまざまな変化が起きました。

● 体調不良以外は一度も休まずに登校できるようになったこと
● 服や持ち物、宿題、ピアノの練習を、自分で管理できるようになったこと
● 友達と一人で遊びに出かけることもできるようになったこと

これらの変化は、「学校への不安をなくした」から起きた、というよりも、日常生活の中で「自分でできた」経験を少しずつ積み重ねていった結果です。

非認知能力の観点で言えば、
「自分で考えて動く力」、「困難に向き合う力」、「やり抜く力」
が、家庭の中から育っていったと言えます。

小学校入学前後は、子どもにとっても親にとっても不安が大きくなりやすい時期です。
でも見方を変えると、この時期は家庭教育を見直すことで「大きく伸びるチャンス」にもなります。

「母子登園から、いきなり完全に一人で登校できるようにしなければ」と焦える必要はありません。
家庭の中での関わりを少しずつ整えること、日常生活の自立を少しずつ育てること。
その積み重ねが、結果として学校生活の安定につながっていきます。

みちびきの支援について・ご相談を検討されている方へ

お手紙の中には、こんな一文がありました。

「今では体調不良時以外、一度も休むことなく通学できています。」

母子登園が始まった頃のことを思うと、お母さんにとってこれがどれほど大きな変化だったか、想像するだけで胸が熱くなります。
何が正解か分からない子育ての中、親御さん達と一緒にお子さんに合う対応を探してきました。
その中で見えてきた子ども達の成長は、支援者としても一人の人間としても素直に嬉しく感じるものでした。

この記事は、次のような状況にある親御さんに向けて書きました。

● 幼稚園・保育園での母子登園や行き渋りが続いていて、先が見えない
● 小学校入学を控えて、漠然とした不安が大きくなっている
● 過干渉や先回りをしてしまっているかもしれないと感じているが、どう変えればいいかわからない

みちびきでは、家庭教育・非認知能力・親子関係を軸にした伴走型の支援を行っています。
「子どもをどうにかする」のではなく、「家庭の関わりを一緒に整える」ことを大切にしています。
電話・オンラインで対応しているため、全国どこからでも、海外にお住まいの方でもご相談いただけます。

「まだ相談するほどじゃないかも」と思う必要はありません。

今の状況を言葉にして整理するところから、一緒に始めることができます。
一人で抱え込まず、まずは現状整理のご相談からで大丈夫です。

▶︎ みちびきの支援内容はこちら

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Profile

佐藤 博

佐藤 博家庭教育コーディネーター/
代表カウンセラー(みちびき)

15年間、不登校や母子登校のご家庭を訪問支援。子どもの「自分で社会とつながる力」を育む土台づくりに尽力。文科省協力者会議委員やいじめ対策委員も歴任。「傾聴で終わらせない、変化につながる関わり」が信念。お子さんへの直接支援に加え、ご家庭の課題を可視化し、親御さんと共に解決するスタイルが特長。家庭教育等の講演・研修も多数。「家庭からはじまる社会的自立支援」を推進します。

鈴木 博美

鈴木 博美家庭教育コーディネーター/
統括ディレクター(みちびき)

家庭教育アドバイザー・訪問カウンセラーとして9年間、不登校や親子関係に悩むご家庭を支援。2025年、支援10年目を迎えます。全国の家庭への直接支援を通し、親御さんとの対話で子どもの社会的自立をサポート。家庭内の会話や関わり方を可視化し、非認知能力を育む声かけや実践的なアドバイスで親子に伴走。保護者向けセミナーや講演も多数。「支援に迷う方こそ安心して相談できる存在」を目指し、家庭の再構築に丁寧に取り組みます。

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