不登校・母子登校…「どこまで来たら相談すべき?」専門家に任せる判断基準10項目
- 2025/12/19
- 2025/12/03

お子さんの不登校や母子登校、行き渋りが続いてくると、「このまま様子を見ていて大丈夫なのか」「それとも、そろそろどこかに相談した方がいいのか」親として悩むタイミングが必ずやってきます。
本当のことを言えば、子どもの様子に「いつもと違うな」と感じた時点で相談してもらうのがベストです。行き渋りや休みが積み重なり、「休むことが当たり前」になってからでも対応はできますが、そこから立て直すには、時間も、親御さんのエネルギーも、子ども自身の負担も格段に大きくなります。
とはいえ、日々の生活の中で「これくらいならまだ様子見でいいのかな」「この程度で相談するのは大げさかもしれない」と迷われる方も多いと思います。
この記事では、どんな状態なら「早めに相談した方がいい」のか、どこまで来たら「一人で抱えず、専門家に任せるライン」なのかを、チェックリストと一緒に具体的に整理します。
読み終わるころには、「うちはまだ様子見でいいのか」「今のうちに誰かに相談した方がいいのか」を、ご自身で判断しやすくなることを目指しています。
『もう相談した方がいい?』と迷うのは当たり前です
本当は「行き渋りが見えた時点」がベストタイミング
不登校や母子登校は、ある日突然「ゼロから100」に跳ね上がるわけではなく、多くの場合、小さなサイン(行き渋り・朝の不機嫌・腹痛や頭痛の訴えなど)が少しずつ積み重なっていきます。
本音を言えば、支援者としては「あれ? 最近、朝になると表情が曇るな」「学校の話題になると、急に不機嫌になるな」と感じた“行き渋りの段階”で相談してもらうのが、もっとも早期解決につながりやすいと考えています。
この段階であれば、
〇 子どもの「学校へのイメージ」もまだ柔らかく変えやすい
〇 休むことが“当たり前の選択肢”として固定されていない
〇 親御さんの心と体の余裕も、まだ残っている
ことが多く、少ないステップで軌道修正できる可能性が高いからです。
「休むのが当たり前」になってからでも遅くはない。でも、負担は大きくなる
一方で、現実には「もう少し様子を見よう」「一度休ませたら少しは楽になるかも」と考えているうちに、気づけば休むことが特別なことではなく、“当たり前の選択肢”になっているご家庭も少なくありません。
この段階での支援も、もちろん可能です。ただし、
●「休む・行かない」が“いつものパターン”として子どもの中に根付いている
● 親子ともに「もうどうしたらいいか分からない」という気持ちになっている
ことが多く、立て直しには時間も、親御さんの労力も、子ども自身のエネルギーも大きく必要になります。
だからこそ、「動くなら早いほどいい。でも、今からでも遅すぎることはない」この両方を、まずは知っておいていただけたらと思います。
迷うときは「自分だけで判断しない」ことが一番のポイント
いつ相談すべきか迷うとき、多くの親御さんは「この程度で相談するのは申し訳ない」「もっと重いケースの人だけが支援を受けるべきでは」と、ご自身のしんどさを“なかったこと”にしがちです。
ですが、不登校や母子登校は、「今この瞬間の重さ」だけではなく、「このまま続いたときの将来への影響」も含めて考える必要があるテーマです。
もし、
● 行き渋りや休みがじわじわ増えている
● 親御さん自身がしんどくて、子どもと向き合う余裕がなくなってきた
と感じているなら、「相談するほどではないかも」と自分で判断し切る前に、一度第三者に現状を話してみる。それだけでも、状況が整理され、次の一歩が見えやすくなります。
このあと紹介するチェックリストは、「もう限界だから相談する」の手前で、“今のうちに動いた方がいいサイン”を見落とさないためのものとして使っていただければ嬉しいです。
専門家に任せる判断基準チェックリスト10項目
「このくらいで相談していいのかな……」そう迷われる方にこそ、一度立ち止まって見ていただきたいのが次の10項目です。
ここでは、
○ 子どものサイン
○ 親御さんご自身のサイン
○ 家庭や学校との関わり方から見えるサイン
の3つの視点から整理しました。気になる項目にチェックを入れながら読み進めてみてください。
子どものサイン
① 朝になると強い拒否反応が続いている
🔴 登校の話題になると、怒る・泣く・黙り込むなどの反応が続いている
🔴 「行きたくない」「学校嫌い」といった言葉が、ほぼ毎日のように出ている
行き渋りは、一日だけの“気分”のこともありますが、数日〜数週間と続いている場合は、何らかのSOSである可能性が高くなります。
② 頭痛・腹痛などの不調を頻繁に訴えるようになった
🔴 朝になると「お腹が痛い」「頭が痛い」と言って休みたがる
🔴 受診しても「大きな異常はない」と言われることが多い
身体症状として出ている場合、本人も言葉では説明しきれないストレスや不安を抱えていることがあります。「仮病でしょ」と決めつける前に、背景を一緒に整理していく必要があります。
③ 「どうせ自分なんて」といった自己否定の言葉が増えている
🔴 「どうせ自分なんてできない」「いても意味がない」などの言葉が増えている
🔴 失敗したときに、必要以上に自分を責めて落ち込む
こうした言葉は、自信の低下や、精神的な負担がじわじわと大きくなっているサインです。行き渋りや休みとセットになって出ている場合、早めのフォローが必要になります。
④ 家の中での怒り・暴言・暴力が増えている
🔴 親やきょうだいに対して、暴言が目立つようになった
🔴 ドアを強く閉める・物を投げるなどの行動が増えている
怒りは、不安や悲しさ、悔しさがうまく言葉にできないときに出やすい感情です。「反抗期だから」と片づけるのではなく、学校との関係や日常のストレスを整理していく必要が出てきます。
親御さんご自身のサイン
⑤ 子どものことを考えると眠れない・食欲が落ちてきている
🔵 夜、なかなか眠れない・何度も目が覚めてしまう
🔵 食欲が湧かない、もしくは逆に食べ過ぎてしまう
親御さんの心と体の状態は、そのまま家庭全体の土台になります。親御さんご自身が限界に近づいていると感じるときは、それだけで「相談していいタイミング」だと考えていただいて構いません。
⑥ 子どもと落ち着いて向き合う余裕がなくなってきた
🔵 つい強い口調で責めてしまい、あとで自己嫌悪になる
🔵 話を聞いてあげたいのに、イライラが先に出てしまう
「優しく接してあげたいのに、できない自分がつらい」というご相談は、とても多くいただきます。これは、親としての愛情が足りないのではなく、気力・体力がすり減っているサインです。
⑦ 「この子の将来はもうダメかもしれない」と極端に不安になることが増えた
🔵 ふとした瞬間に、最悪の未来ばかり想像してしまう
🔵 SNSやネット記事を読み漁って、余計に不安になる
将来を考えること自体は自然なことですが、不安が頭から離れず、日常生活に支障が出ている場合は、一度その不安を一緒にほどいていく必要があります。
家庭・環境から見えるサイン
⑧ 行き渋りや欠席が、数週間〜数ヶ月単位で続いている
🔵 「少し様子を見よう」と言っているうちに、欠席日数が積み重なってきた
🔵 別室登校・保健室登校が長く続き、先が見えない
不登校は「この日から正式にスタート」という線が曖昧な分、“気づいたら長期化していた”というケースが多くあります。一定期間以上続いている場合、家庭だけでの工夫では限界が近づいているサインとも言えます。
⑨ 学校や他機関にも相談したが、家庭での具体的な対応が見えていない
🔵 スクールカウンセラーや病院に相談したものの、「家庭で何をどう変えればいいか」が分からない
🔵 「様子を見ましょう」と言われたまま、時間だけが過ぎている感覚がある
支援先はそれぞれ役割が違います。「話は聞いてもらえたけれど、家庭の具体策に落とし込めていない」と感じるときは、家庭教育の視点からのサポートを組み合わせることで、状況が動き出すことがあります。
⑩ 家族の会話や笑顔が、目に見えて減ってきている
🔵 子どもの話題になると、夫婦で口論になってしまう
🔵 家の中が常にピリピリしていて、笑顔の時間が思い出せない
不登校や母子登校の問題は、いつの間にか「その子だけの問題」から「家庭全体の問題」に広がっていきます。家庭の空気が重くなってきたときこそ、第三者の視点を入れて、家族全体の負担を軽くしていく必要があります。
ここまでで、いくつチェックが入りましたでしょうか。
「いくつ当てはまったからダメ」という話ではありません。
ただ、3つ以上チェックがついている場合、すでに一家庭だけで抱えるには負荷が大きくなり始めているサインだと考えられます。
次のパートでは、「このチェックが3つ以上当てはまるなら、一人で抱えないでほしい理由」と、そこからどんな一歩を踏み出せるのかについて、お話ししていきます。
このチェックが3つ以上当てはまるなら、一人で抱えないでください
3つ以上=「がんばりで乗り切る」範囲を超え始めているサイン
チェック項目が3つ以上当てはまるということは、子ども・親・環境の3方向で負荷が同時にかかっている状態です。
これは、親御さんの努力不足ではありません。構造として、一家庭だけで抱えるには重くなりすぎているということです。
「もっとがんばれば何とかなるかも」と思いたくなる気持ちは、痛いほど分かります。でも、がんばりだけでは乗り越えられないラインが、確かに存在します。そして、そのラインを超えてしまう前に手を差し伸べられる人がいることを、どうか知っておいてください。
今すぐやめてほしい“ひとり反省会”
多くの親御さんが、夜中に一人で考え込んでしまいます。
● 「全部自分のせいだ」
● 「もっと早く気づいてあげられていたら」
● 「もっと頑張れば、何とかなるはず」
そして、子どもの将来を0か100かで極端に想像し続けてしまいます。
でも、親がつぶれてしまったら、子どもを支える土台も崩れてしまいます。
今必要なのは、自分を責めることではなく、状況を一緒に整理してくれる誰かとつながることです。
今日からできる、小さな一歩
「じゃあ、どうすればいいの?」と思われたかもしれません。
まずは、こんな小さな一歩から始めてみてください。
● 今の状況を紙に書き出してみる(事実と感情を分けて整理する)
● 親だけの相談でいいので、第三者に現状を言葉にしてみる
完璧に整理できていなくても大丈夫です。「うまく説明できるか分からない」「何から話せばいいか分からない」そんな状態のままでも、まずは声に出してみることが大切です。
早めの相談で変化していったご家庭のケース
実際に、早めにご相談いただいたことで状況が改善していったご家庭の例をご紹介します。
ケースA:小学生・行き渋り段階での相談→不登校化を防げた例
相談時の状態
● チェック項目:①②⑤の3つに該当
● 小学4年生の男の子
● 朝の登校渋りが2週間ほど続き、週に1〜2日休むようになった
家庭の回し方の工夫
● 朝の声かけのタイミングと言葉選びを調整
● 「行く・行かない」以外の選択肢(遅刻登校、保健室経由など)を本人と一緒に設計
● 親御さん自身の不安との向き合い方を整理
3ヶ月後の変化
● 週5日の登校が安定
● 本人から「今日は行ける」「今日はしんどい」と言えるようになった
● 親御さんも「焦らず見守れるようになった」とのこと
早い段階でのご相談だったため、「休むことが当たり前」になる前に軌道修正できた例です。
ケースB:すでに休みが続いていた家庭→時間をかけて軌道修正した例
相談時の状態
● チェック項目:①③④⑤⑥⑧⑩の7つに該当
● 中学1年生の女の子
● 5月のGW明けから欠席が増え、相談時には3ヶ月ほぼ休んでいる状態
親御さんの状況
● 毎朝の攻防で親子とも疲弊
● 夫婦で意見が合わず、家庭の空気が重くなっていた
● 「もっと早く相談すればよかった」という後悔
立て直しのステップ
1. まず親御さんの心の余裕を取り戻すことから開始
2. 夫婦での方針のすり合わせ
3. 子どもとの関わり方を段階的に調整
4. 学校との連携方法を再設計
6ヶ月後の変化
● 週2〜3日の別室登校が安定
● 家での会話や笑顔が戻ってきた
● 「完全復帰」ではないが、「このペースでいい」と思えるようになった
時間はかかりましたが、家庭全体の土台を立て直すことで、確実に前進していった例です。
みちびきがご一緒できること
子どもだけでなく「家庭全体」を見る支援
私たち「みちびき」は、家族療法×家庭教育×非認知能力の3本柱で、不登校・母子登校のご家庭をサポートしています。
なぜ子ども個人ではなく“家庭の回し方”に注目するのか。それは、子どもの状態は、家庭全体の空気や親御さんの心の状態と深くつながっているからです。
子どもだけを変えようとするのではなく、家庭全体の流れ・空気・関わり方を整えていくことで、子どもも親も、自然と前を向けるようになります。
家庭の回し方×非認知能力で「現実的な一歩」を一緒に設計
具体的には、朝・夜・休日など、生活シーンごとに、
● どんな声かけをするか
● どんなタイミングで関わるか
● 何を見守り、何に介入するか
を一緒に設計していきます。
「親の習い事」のように、親御さんが学び、試し、振り返る。そのサイクルを通して、少しずつ家庭の流れが変わっていきます。
親御さんだけの相談から、オンラインでも始められます
「子どもを連れて行かないといけないの?」とよく聞かれますが、まずは親御さんだけのご相談で大丈夫です。
電話・オンライン・訪問など、ご家庭の状況に合わせた形でお話を伺います。
初回では、
● 今の状況
● これまでの経過
● ご家族それぞれのしんどさ
を一緒に整理するところから始めましょう。
ご相談方法と流れ
あらためて、先ほどのチェックリストを見直してみてください。
3つ以上当てはまる場合、すでに「ひとりで抱えるには重くなりすぎている」状態かもしれません。
このチェックが3つ以上当てはまるなら、一人で抱えないでください。
親御さんが限界になってしまう前に、状況を一緒に整理し、今日からできる現実的な一歩を考えていきましょう。
また、チェックが3つ未満であっても、
● 行き渋りが気になり始めている
● 「このまま続いたら不登校になるかもしれない」という不安が頭をよぎる
そんな段階でのご相談も歓迎しています。早いタイミングで動けるほど、必要なステップは少なく済み、親子の負担も軽くなります。
よろしければ、私たち“みちびき”にも、その一歩のお手伝いをさせてください。
👉 ご相談は【公式LINE】または【お問い合わせフォーム】からお受けしています。
「ブログを読んで相談しました」と一言添えていただけると、スムーズに状況をお伺いできます。
責めたり、型にはめたりすることはありません。まずは状況を一緒に整理するところから始めましょう。
プロフィール

佐藤 博家庭教育コーディネーター/
代表カウンセラー(みちびき)
15年間、不登校や母子登校のご家庭を訪問支援。子どもの「自分で社会とつながる力」を育む土台づくりに尽力。文科省協力者会議委員やいじめ対策委員も歴任。「傾聴で終わらせない、変化につながる関わり」が信念。お子さんへの直接支援に加え、ご家庭の課題を可視化し、親御さんと共に解決するスタイルが特長。家庭教育等の講演・研修も多数。「家庭からはじまる社会的自立支援」を推進します。

鈴木 博美家庭教育コーディネーター/
統括ディレクター(みちびき)
家庭教育アドバイザー・訪問カウンセラーとして9年間、不登校や親子関係に悩むご家庭を支援。2025年、支援10年目を迎えます。全国の家庭への直接支援を通し、親御さんとの対話で子どもの社会的自立をサポート。家庭内の会話や関わり方を可視化し、非認知能力を育む声かけや実践的なアドバイスで親子に伴走。保護者向けセミナーや講演も多数。「支援に迷う方こそ安心して相談できる存在」を目指し、家庭の再構築に丁寧に取り組みます。











