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小学校入学前の過ごし方~新一年生の行き渋りを防ぐ家庭の準備とは~

  • 2026/03/03
  • 2026/02/16

もうすぐ3月の卒園式を迎えるお子さん達。
4月の入学式をワクワクとドキドキが入り混じったちょっぴり変な感覚を味わう時期に差し掛かります。
親の方も、新しい小学校生活に不安や心配を抱く人も少なくないでしょう。

小学校入学前の数か月で差がつくもの

4月の入学、そして5月のGW明け、9月の夏休み明け。このタイミングで「学校に行きづらくなる」ご家庭、実は多いです。それらのご家庭には共通点があります。

怠けているわけでも、育て方が間違っていたわけでもありません。多くの場合、起きているのは――

学校という“社会”に適応することの難しさです。

ここで誤解されやすいのですが、学校で求められるのは早く計算できることでも、きれいにひらがなが書けることでもありません。
学校生活で一番必要になるのは

「自分で考えて、その場をどうするか決める力」

です。入学前の数か月は、子どもを鍛える時期ではなく、家庭の関わり方を学校に合わせて整える時期になります。

1. 入学準備で起きやすいズレ

「読み書きそろばん」という言葉があるように、入学前は多くの親が学習面の準備に力を入れます。ひらがな、カタカナ、数字、足し算・引き算、机に向かう習慣。どれも無駄ではありません。

ただ、小学校は勉強の場である前に集団生活の場です。

毎日こうしたことが起きます。先生の話が一度で分からない。周りのペースについていけない。思い通りにならない。失敗して恥ずかしい。トラブルが起きる・・・。

このとき必要なのは知識ではなく、「今どうする?」を決める力です。困ったときの判断、助けを求める選択、完璧でなくても進む決断。この経験が少ないほど、学校生活は不安になります。

幼稚園や保育園と違い、1クラスの人数も増えますので、先生が丁寧に教えてくれる場面ばかりではありません。

2. 先回りサポートが適応を難しくする理由

入学前は親の不安が強くなります。忘れ物しないかな。困らないかな。注意されないかな。

不安が強い親ほど、関わりはこう変わります。すぐ手伝う。説明を増やす。失敗を防ぐ。先に答えを教える。

家庭では優しさとして機能します。しかし学校では成立しません。
学校はずっと待ってもらえない。代わりにやってもらえない。説明は繰り返されない。

つまり、家庭が快適になるほど、学校とのギャップが広がります。

子どもは能力不足ではなく、経験していない状況に立たされて止まってしまうのです。

3. 入学前に増やしたい会話

この時期に増えやすいのが「指示の会話」です。「早くして」「次これ」「違うでしょ」「だから言ったのに」・・・。
これ、つい言っちゃっていませんか?

ですが学校で必要なのは理解力より判断力です。そう考えると声かけは変わります。

変える声かけの例

「靴そろえて」 → このままで大丈夫そう?

「忘れないように持った?」 → 困るとしたら何がありそう?

「ちゃんとして」 → どうするつもり?

教えるのではなく、考えた回数を増やす会話に変えていきます。

4. 「待つ」は放置ではない

「待つ」と言うと「何もしないの?」とビックリされることもありますが、そうではありません。待つことは何もしないことではなく、失敗を止めない・不完全を許す・口を出すタイミングを遅らせることだと“みちびき”は考えます。

この経験がある子は、学校で止まる回数が少なくなっていくでしょう。逆に家庭で整えられ続けるほど、初めての状況で少しでも「失敗するかも」と思ってしまうと途端に子どもは動けなくなります。

学校は正しくできる場所ではなく、自分で調整する場所だからです。

5. 残り数か月の過ごし方

“みちびき”では、入学前に学習面の練習を家庭ですることよりも、もっと大事にしていただきたい点があると考えます。

  • 子どもが決める場面
  • 小さな困りごと
  • 考える時間
  • 先回りの説明
  • 注意の回数
  • 正解に導く会話

入学は新しい生活の始まりではなく、家庭での関わり方がそのまま学校に現れるタイミングです。
だからこそ、入学前の今から子ども達の成長を信じて、任せる範囲を増やし、自身に繋げていきたいですね。

まとめ

小学校で始まるのは勉強だけではなく「自立に向けた成長期間」です。

ここをしっかり理解しているご家庭と、そうでないご家庭とでは子どもへの関わり方が大きく異なります。
学校が始まれば嫌でも勉強面は教えてもらいます。
その点を家庭で重視することも大事かもしれませんが、そこばかりに注目し過ぎて大事なことを忘れていないか?というのは親御さん達で今一度考え直してほしいところです。

子どもが小学生へと成長するにあたり、親子の距離がちょうどいい距離感になっているのか?

残り数か月、子どもを整えるより、関わり方を整える時間にしてみてください。

それが、新一年生の子ども達の不安を一番減らします。

親の目先の安心を取る対応ばかりにならないよう、気を付けていきたいものです。

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Profile

佐藤 博

佐藤 博家庭教育コーディネーター/
代表カウンセラー(みちびき)

15年間、不登校や母子登校のご家庭を訪問支援。子どもの「自分で社会とつながる力」を育む土台づくりに尽力。文科省協力者会議委員やいじめ対策委員も歴任。「傾聴で終わらせない、変化につながる関わり」が信念。お子さんへの直接支援に加え、ご家庭の課題を可視化し、親御さんと共に解決するスタイルが特長。家庭教育等の講演・研修も多数。「家庭からはじまる社会的自立支援」を推進します。

鈴木 博美

鈴木 博美家庭教育コーディネーター/
統括ディレクター(みちびき)

家庭教育アドバイザー・訪問カウンセラーとして9年間、不登校や親子関係に悩むご家庭を支援。2025年、支援10年目を迎えます。全国の家庭への直接支援を通し、親御さんとの対話で子どもの社会的自立をサポート。家庭内の会話や関わり方を可視化し、非認知能力を育む声かけや実践的なアドバイスで親子に伴走。保護者向けセミナーや講演も多数。「支援に迷う方こそ安心して相談できる存在」を目指し、家庭の再構築に丁寧に取り組みます。

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